『彼らを空腹のままで帰らせたくない』
大倉信師
Does Not Want to Send Them Away Hungry
by Pastor Makoto Okura
現在、イスラエル軍がガザに地上侵攻することについて議論がなされています。その中で、私達は何度も「Humanitarian Resolution」という言葉を聞きます。これは「人道的な解決」というもので、まずは人の命(この場合は民間人)と彼らの暮らしを守ることを優先するということです。これは現在、すなわち2023年の人間に対する見方です。我々、人間はこのような人道的な対応を実現するまでに、何千年もの長い年月を要しました。
今朝、お話ししている聖書の時代というのは、強い者が全てを略奪することがまかり通っていた時代です。問答無用で女性や子供が連れ去られる時代、滅ぼしたければ、その一族を全て絶滅させるということが普通になされていた時代です。人道的にこうしましょう、ああしましょうという取り決めなどは存在しなかった時代です。旧約聖書を見ますと、そんな場面をあちこちで目にしますでしょう。しかし、驚くなかれ、その時代に生きる者たちに向かって、旧約聖書にはこのようなことが書かれているのです。
『あなたがたの地の実のりを刈り入れるときは、畑のすみずみまで刈りつくしてはならない。またあなたの刈入れの落ち穂を拾ってはならない。あなたのぶどう畑の実を取りつくしてはならない。またあなたのぶどう畑に落ちた実を拾ってはならない。貧しい者と寄留者とのために、これを残しておかなければならない。わたしはあなたがたの神、主である』(レビ記19章9節、10節)
レビ記は今から3500年前に書かれたものです。その時代は人間が共有する博愛なるもの、人道主義なるものがまだ未発達の時でした。その時代にあって、当時の貧しい者、ましてや寄留者に対する配慮に私達は驚きます。古の時代、弱い者を搾取することが当たり前、civilize されていない野蛮な時代に、このような言葉が人間から出てくるとは、私には思えません。まだ人間社会はそこまで成熟していないのです。
そうです、これは主なる神の言葉です。この言葉の最後に「わたしはあなたがたの神、主である」と書かれている通りです・・・。
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